対策はしなくてもいいの?

更年期障害は病気ではない。いつかは治まるものだから・・・と言って何も対策をしていないと、どうなってしまうのでしょうか?

 

更年期障害はホルモン量が自然に少なくなるのにつれて自律神経に影響が出て様々な不快症状が現れるもの。

 

直接的に生命の危険に関わるものではありません。ほとんどの場合は数年後には自然に治まります。でも、中には更年期がきっかけで深刻な病気につながることもあります。

 

 

骨粗しょう症

骨がもろくなってしまうことで「骨粗しょう症」になる危険性が高まります。

 

閉経によって女性ホルモンの分泌が低下すると骨密度が急激に減って、骨の中がスカスカになってしまうのです。

 

骨の新陳代謝をサポートしているエストロゲンが減るために、古い骨が吸収されても新しい骨の形成が追い付かない状況。

 

その結果、骨密度が低下し、骨はもろく弱くなり、ちょっとした衝撃で骨折しやすくなります。

 

更年期障害から生まれる病気

 

高脂血症

エストロゲンは、動脈硬化を引き起こす血液中の悪玉コレステロールの増加を抑え、善玉コレステロールを増やすという、とても大切な働きをしています。

 

閉経によってエストロゲンの分泌が減ると、血液中の悪玉コレステロール値が上昇する一方で善玉コレステロールは減少。

 

この結果、高脂血症を招きます。高脂血症とは血液の中の脂質の値が高く、血流が悪い状態で、血液は重くドロドロです。






動脈硬化

高脂血症が進むと血液を運ぶ動脈の内壁に余分な悪玉コレステロールなどの脂肪(粥種:アテローム)が付着し、血液の通り道を狭くしてしまいます。

 

そして血管は弾力が低下し、硬くなります。これが動脈硬化です。

 

脳卒中

脳卒中とは脳梗塞や脳内出血など、脳の血管で起きる血流障害のこと。
脳の中で動脈硬化が起きて完全に血流が止まってしまうのが、脳梗塞。

 

動脈硬化のためもろくなった血管が破れて出血するのが脳内出血。

 

いずれも最悪の場合には生命が危険になります。

 

心筋梗塞

心臓に酸素と栄養を運ぶ冠動脈に動脈硬化が起きて、粥種と血栓で血管が完全に詰まってしまい、血液が流れない。

 

この状態が心筋梗塞です。酸素が届かないと心臓が止まってしまいます。

 

更年期障害から生まれる病気

 

高血圧

エストロゲンは血圧をコントロールしている自律神経にも影響を与えています。閉経によってエストロゲンが減ると自律神経の働きが乱れ、血圧を安定させることが難しくなり、高血圧に傾きます。これが更年期高血圧です。

 

更年期高血圧の特徴は、血圧が安定せず上下しやすいこと。

 

また、めまいや動悸、頭痛を併発することが多いので、治療を受けるときにも注意が必要となります。