実は男性にもある更年期障害

更年期障害は女性に特有のものと思っていませんか?実は、男性にも更年期障害が存在します。

 

「LOH症候群(Late-onset hypogonadism:性腺機能低下症)とも呼ばれている通り、男性ホルモンのひとつである「テストステロン」の量が減少することによって様々な症状が起こります。

 

男性の更年期障害の症状には、女性同様に身体症状、精神的な症状に加えて、性的症状が加わります。

 

  • ホットフラッシュ
    (ほてり、急な発汗)が起きる
  • 動悸やめまいを感じる
  • 肩や腰、筋肉や関節の痛み
  • イライラを感じやすく怒りっぽくなった
  • 憂うつになりやすく、落ち込みがひどい
  • 集中力の低下、集中が続かない
  • 疲れやすく疲れが抜けにくい
  • 性欲の低下
  • 勃起障害(ED:勃起不全)

男性のストレス






テストステロンは、生殖機能を始めとした男性らしさを司る大切なホルモン。

 

睾丸で作られ、第二次性徴期以降、男性が男性らしくあるための体毛の発育、筋肉や骨格の発達をサポートしています。

 

また、性欲を健康に維持してくれるだけでなく、肥満や糖尿病を予防し、血管の働きを支える大事な働きをしています。テストステロンが寿命を延ばしてくれるという説もあります。

 

 

ちなみに、女性も男性ホルモンを持っています。
(ただし女性の場合は副腎皮質で作られます。)
テストステロンは社会性ホルモンとも呼ばれる大切な存在。一人の大人として社会生活の中で物事を的確かつ瞬時に判断する能力を高める働きをしています。


 

このテストステロンが減少してしまう理由は二つあります。
加齢、そしてストレスです。
女性ホルモンと同様に、テストステロンの分泌量も10歳ごろから上昇し、20代から30代でピークに達し、40歳後半からゆるやかに減少していきます。

 

男性の場合、40代は社会的にも負担が大きくなり、仕事や職場における環境から受けるストレスの量がピークになる時期でもあります。
このため、めまい、肩こり、腰痛、不眠、不安感などの身体的精神的不調の原因がストレスであると勘違いしてしまうことも少なくありません。

 

内科や整形外科を受診して対処療法的な投薬治療をしてみても全く効果が上がらない。

 

さらに心療内科を受診して、抗うつ剤の治療を開始するというようなドクターショッピングに陥るケースも珍しくないのです。

 

男性の更年期障害には、女性同様、ホルモン補充療法が最も効果的と言われています。一人で悩むよりもまず専門医の診察を受けることをおすすめします。